津田保険事務所 代表 津田 貴司氏

第1188回 堺市倫理法人会モーニングセミナー

講話者:津田保険事務所 代表 津田 貴司氏
    (兵庫県倫理法人会 副幹事長)

タイトル:家族とともに

「家族」と「即行」が人生を救う──津田貴司氏の講話を聞いて

先日、兵庫県倫理法人会 副幹事長・津田貴司氏のご講話「家族の苦難が教えてくれた倫理 〜子ども・妻・母からの学び〜」を拝聴しました。正直に言って、胸が何度も締めつけられ、そして最後には温かい涙がにじむような時間でした。

テーマは「家族」と「即行」。
子どもの死、夫婦の断絶、母の3000万円の借金問題──普通であれば心が折れてもおかしくない出来事を、津田氏は「苦難」ではなく「学び」と「ご縁」へと変えていかれました。その中心にあったのが、倫理法人会で学んだ「家族と向き合うこと」と「思い立ったが吉日、即行すること」だったとお話しされます。

印象的だったのは、長女・ミサキさんとのエピソードです。
重度知的障害・自閉症と告げられ、「障害のある子どもを授かった親としての覚悟」を保育園園長から突きつけられた場面。そして、花見の日、ほんの数分目を離したすきに、ミサキさんを事故で亡くしてしまうという出来事。ここからの半年間、死後の世界の本を30冊以上読み漁り、「ちゃんとあの世に行けたのか」と、答えの出ない問いにすがる姿は、親としてあまりに生々しく、聞いているこちらの心まで揺さぶられました。

そんな絶望の底から引き上げたのが、奥様の一言でした。

「亡くなったミサキに、食べさせてもろてるみたいなもんや。」

この言葉は、愛情と怒り、悲しみと期待が全部混ざった、“家族だからこそ”言える一言だと感じました。ここから津田氏は、「このままではいけない」と立ち上がり、仕事に復帰し、やがて独立への道へ歩み出していきます。家族の厳しい言葉が、人を立ち直らせる力になる──倫理でいう「受け止める」実践を、生身で見せていただいた思いです。

さらに心を打たれたのが、亡くなったミサキさんへの手紙の場面です。
富士高原研究所の経営者セミナーで「お世話になった人に手紙を書く」という課題に取り組み、あえて娘さんに宛てた手紙を書く。仏壇に置くのが怖くて2日間悩み、それでも意を決して置いたその夜、奥様と8時間半にわたって語り合ったというエピソードは、まさに「夫婦の氷が溶けていく」瞬間でした。

「この手紙がなかったら、今の夫婦関係はなかった。」

そう言い切る津田氏の言葉に、「書く」「渡す」「置く」といった小さな“即行”の実践が、どれほど人生を変えるのかを思い知らされました。亡くなった子どもが、「もう一度夫婦で頑張れよ」と背中を押してくれている──その解釈が、優しさと感謝に満ちていて、聞いている私の心も温かくなりました。

もう一つ、忘れられないのが、お母様の借金3000万円の話です。
62年続く美容院、父の相続のもつれ、誰にも言えずに一人で返済を続けてきた母。その通帳から「結構な借り入れ」が判明した瞬間、「まとめてやらなあかん」と決断し、自分名義で借り換えに動き出す。
ここでもキーワードは「即行」。もし「半年様子を見よう」と先送りしていたら、コロナによるパーキング収入の激減で、融資は通っていなかったかもしれない。1か月の差で人生が変わる──「今日思い立ったのが斎藤吉日」と自分をほめたという一言に、“即行”の重みと怖さ、そしてありがたさが凝縮されていました。

親の借金を子が肩代わりすることは、相続対策としては“真逆”かもしれません。
それでも倫理法人会で学んだ「親とつながる」「親を大切にする」という実践に照らして、「それでも自分はこうする」と決断し、すぐ動く。その結果として、母を長年の重荷から解放し、自分自身も「親とつながる」道を選び切った──ここに、倫理を“きれいごと”で終わらせない、津田氏の生き方を見た気がします。

今回の講話を通して、私自身も問いかけられました。
「家族ときちんと向き合えているか?」
「心のどこかで引っかかっていることを、先送りしていないか?」
「思い立ったときに、すぐ動いているか?」

津田氏が提示してくださった3つのアクション、
・家族に「ありがとう」「ごめん」を先に伝える
・「親とお金」の話を先送りしない
・今日ひとつだけ“即行”してみる
これらはどれも特別な才能もお金もいらない、誰にでもできる一歩です。それだけに、「やるか、やらないか」の差が、人生を大きく分けていくのだと感じました。

子ども、妻、母ーー。
一番近くにいる存在との向き合い方こそが、その人の人生の質を決めていく。苦難のど真ん中で、それでも「意味を見出し」「即行する」ことを選び続けた津田貴司氏のお話に、心からの尊敬と感謝をお伝えしたいと思います。

津田さん、本当に尊いご体験と学びを、惜しみなく分かち合ってくださりありがとうございました。
今日この瞬間から、私自身も「家族」と「即行」の倫理を、もう一歩深く生きていきたいと強く思いました。




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